株式会社計画情報研究所

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フランスの碩学による集大成的一冊

最近読んだ本の中で大きな影響を受けた一冊は『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』(エマニュエル・トッド著,2022年文藝春秋,原著は2017年)です。人口統計学者であり家族人類学を研究するE.トッド氏は25歳の時に『最後の転落』でソ連崩壊の予兆を指摘、その後も人口統計と家族類型を駆使する研究スタイルでアラブの春、英国のブレクジット、トランプ政権の誕生などを言い当てています。そのE.トッド氏が70歳を前に集大成として著したのが本書。人間の意識構造が家族形態という人類学的基底によっていかに形成されるのか、それが今日においてどのような力学となりグローバル化した社会を動かしているのか、また宗教が無力化し家族形態が収斂していく中で、表面上は消滅したかに見える伝統的な家族形態が価値観を再生産し続けるメカニズムは何か。人間社会の根本に潜む原理・原則を知りたいという欲求に応えてくれる名著だと思います。(米田)

満開ですね

石川県はどこも桜が満開です。

1年のうちで、一番エネルギーを感じる時期ですね。

新年度も頑張っていきましょう。

(谷)

毎年恒例、甘いお菓子でひとやすみ

当社会長より、シュークリームの差し入れをいただきました。

ご自身の誕生日に社員全員にお菓子を買ってくる、というのが恒例行事になっており、
私たち社員も毎年たのしみにしています。

年度末、忙しい日々が続きますが、
甘くて美味しいお菓子をいただき、仕事の息抜きもできました。

「幸せ」に向き合ってみる

社内のとある方と「幸せ」についての話が盛り上がり、「幸せ」に向き合ってみようと手にした本書『幸せのメカニズム(前野隆司著)』は、学問として体系的に幸せを分析しています。幸せの基本メカニズムは単純という立場から幸せになる因子を明らかにしています。

多様な生き方が認められている現代、自分らしさを追求することが大切になりそうです。同時に、他者とのつながりと感謝が自分にとっての幸せにもなる。
自立した魅力的な個人がつながりあっている社会は素敵に思います。

「誰かにとっていいことをしよう!」とは気恥ずかしくてうまくできないですが、自分の幸せのためにも周りに感謝していきたいです。

(織部)

まちの魅力と図書館

新石川県立図書館が開館して半年が経ちました。
開館当初から県内、県外問わず多くの方から利用されていますが、
地域の方々にとっては馴染みのある図書館になりつつあるのではないでしょうか。

目的の本を借りに図書館に行くだけでなく、
めぐりながら気になった本を手にとってみる
そんな思いがけない出会いが楽しく、何度も行きたくなる図書館です。

金沢市内には他にもたくさんの図書館があり、建築としても素敵な建物ばかりです。
私自身、近所の図書館にふらっと立ち寄ることもたくさんあります。

誰でも気軽に行ける素敵な図書館がある
それだけでもまちの魅力を高めているのではないかと思います。

(石黒)

千木 鰹木

神棚のお正月飾りは例年私が担当しています。神棚やお供え、正月飾りは意匠であふれていますね。神社らしさのデザインで最も目を引くのは、千木と鰹木ではないでしょうか。座右の書『にほんのかたちをよむ辞典』(形の文化会【編】、工作舎)をひもとくと、「大空にいる神に見せて、男神と女神の降りる場所を指定している」とありました。伊勢神宮には千木と鰹木に厳しい掟があり、男性的で豊受大神を祀る外宮関係の社では、千木の先端は垂直(外そぎ)に切り、鰹木は奇数本乗せる。女性的で天照大神を祀る内宮関係の社では、千木の先端は水平(内そぎ)に切り、鰹木を偶数本乗せるのが決まり事だそうです。あらためて家の神棚を見ると千木の先端は水平、鰹木は偶数であり天照大神のお札を祀るためそのような造りになっていると思われます。全国の神社には、左の千木で内そぎ、右の千木は外そぎとなる両宮社という形態や、わざわざ掟を破っている神社もあるとのこと。初詣の際、訪れた神社の千木、鰹木をそのような視点で観察するのも楽しそうです。(米田)

庭園を散歩できる贅沢なまち 金沢

金沢には、兼六園をはじめ素晴らしい庭園が数多くあります。

散歩が好きな私にとっては、金沢は散歩で庭園を巡ることができるなんとも贅沢なまちです。

水の流れる音に耳を澄ませ、木々や水に映るゆらゆらとした光を眺めていると、身体が喜んでいるのを感じます。

1日にいくつかの庭園を掛け持ちすることもあります。

この写真もその一つで、朝方の一枚。

ぜひ金沢を歩いてこの風景を探してみてください。

(織部)

CarFreeDay 2022 in 金沢

EUROPEAN MOBILITY WEEKは約3千の都市が参加する都市と交通を考える国際イベント。金沢も参加しており9月22日にCarFreeDayが開催されました。ウォーカブルシティ実現の重要性が増す中で、金沢はモデルであるとともに、リーディング都市としての役割も求められています。歴史的に形成された空間は人が快適に過ごすのに適しており、いきいきとした街並みには楽しさがあります。この二つの要素はウォーカビリティに必須ですが、一朝一夕に実現できるものではありません。今回、NAVYA(自動運転車両)の展示もありました。歩きたくなる空間、乗りたくなる交通、それには機能だけではなく、ヒューマンスケールなまちなかに界隈性が息づき、そこに感性が満たされる公共交通が走ることが必要だと思います。(米田)

珠洲の秋祭り

秋のキリコ祭りに行ってきました。

朝日と海を背景にみる、寺家のキリコ。

色鮮やかな衣装で力強く担ぐ、蛸島のキリコ。

豪華絢爛なキリコだけでなく、太鼓や笛の音、全てに圧倒されました。

そして、楽しそうな掛け声。何よりも印象的でした。

キリコ祭りでも地域によって全く違って、それぞれの良さがありますが、

地域の人が一番に楽しんでいること、

そして祭りを誇りに、大事にしている姿は同じだと感じました。

(石黒)

雨上がりの大物

 

高校一年の息子から送られてきた画像。90センチのシーバス(スズキ)です。このサイズが2本釣れたそうです。釣った場所は街なかの2級河川の支流と本流の合流地点。完全に淡水の場所です。息子は川がどのような状態の時に、大きなシーバスがどこで釣れるのか分かるそうです。食物連鎖を感じつつ、自然を読み、自然と共生している息子の成長を感じました。(谷)

奥能登国際芸術祭2020+

2021年をふりかえると奥能登国際芸術祭での体験が記憶に刻まれています。2020+という表記が示すように、開催が1年延期。「まん防」の中、9月は限定公開。ようやく10月からは全作品公開となり、たくさんの人が珠洲でアートを楽しみました。関係者の方々の熱意とご努力のおかげで、多くの人がコロナ渦の中、新鮮な気持ちになれたのではないかと思います。今回の芸術祭は「場所の記憶」がテーマ。様々な作品から奥能登の記憶の集め方、感じ方を学ぶことができました。あらためて認識したのは、時代の変化に順応するだけでは大切なものはどんどん失われてしまう現実。「場所の記憶から未来をつくる」ことは、これからの時代に強く求められるプロセスだと思います。そのことに気づくことができたのは私にとって大きな収穫でした。(米田)

最近好きになったミステリーシリーズ

 

アンソニー・ホロヴィッツの「ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ」が楽しい。著者はホームズシリーズの続編をコナン・ドイル財団から依頼されるほどの作家だが、ホーソーンなる元刑事に自らの事件解決のドキュメント制作を依頼され、ひょんなことから引き受けてしまう。そして現場検証や事情聴取に呼び出され、散々な目にあいながら、自らは事件解決の足掛かりすらつかめないもどかしさに苦しむのである。ミステリー作家がいかに精緻な作品を作ることができようとも、現実の捜査現場では全く役に立たないという自嘲を込めたシリーズだ。ミステリー小説では主人公が特殊な力(推理力、分析力、精神力、武闘力等)の持ち主である場合が多く感情移入しづらいときもあるが、本シリーズは登場人物と化した著者に共感(同情)しながら、ミステリーの世界を彷徨うことができる。同時に、売れっ子作家の生活の一部を垣間見ることができる点も魅力である。(米田)