宇出津 あばれ祭 1日目のクライマックスは柱松明の周りをキリコが乱舞
ふるさとに帰る特別な日
奥能登の祭りは、外に出た人もふるさとに帰る特別な日だ。人口が激減しても、これだけの人が地域と絆があるのだと思うと心強い。奥能登のキリコ祭り、トップバッターは「宇出津あばれ祭」、今年はキリコ全40基が出そろった。1日目のクライマックス、松明の周りを乱舞するキリコを観に行った。
5本の柱松明(ハシラタイマツ)と3基の置松明(オキタイマツ)に火が灯され、激しく爆ぜる中、キリコが乱舞する。火の粉を浴びるほどご利益があるとされている。食い入るようにファインダを覗いていると、キリコ巡行のじゃまになり突き飛ばされる。そのままだとキリコの下敷きになるところだ。ナイスタックルをもらって助かった。
松明の火の粉がキリコに襲い掛かる。それを喜ぶように、太鼓と笛の音が激しくなりキリコが躍動する。
狂喜乱舞の中、精神はむしろ静寂へと近づいていく。そんな瞬間も垣間見ることができる不思議な時間が流れる。
1日目のクライマックスが終焉を迎え、キリコはそれぞれの町へ戻っていく。2日目はキリコの巡行、そして2基の神輿が登場。神輿を海の中、川の中、火の中に投げ込み、叩いたり、壊したりあばれまくる。あばれが足らないと、神さまがあばれ、災いがおきるとも伝えられているため、限界まであばれなければならない。荒行である。
今年は1日目だけの参加だが、臨時駐車場が用意されるなど地元の方が受け入れる準備ができるようになった頃、2日目を訪れたいと思う。
(米田)