今年前半、最も心に残った本

唐木順三の『中世の文学』。大学では西田幾多郎、田辺元の指導を受け筑摩書房を設立された方。平安末期から室町の文学を読みとき、数寄、荒び、さびへの変遷をふまえ、日本の思想形成の文脈を明らかにされている。俊成、西行、長明、親鸞、道元、兼好、世阿弥、芭蕉の思想、文学に潜む一つひとつはバラバラの兆候から、今の日本につながる太い文脈を発見している。内容からも大きな影響を受けたが、記憶から文脈を発見するお手本であり方法論としての教えも頂いた。
(米田)
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